外来で受診したとき
医療費の一部を窓口負担します
業務外の病気やけがの場合、健康保険では必ず保険証を持参して診療を受けることになっています。
このとき被保険者および被扶養者は、外来、入院ともかかった医療費の3割(義務教育就学前は2割)の一部負担金(入院時の食費等については別途負担あり)を支払うだけで、残りの医療費は健康保険組合が負担します。
つまり、被保険者および被扶養者にとっては「診療」という現物の給付を受けるわけです。このように保険証を持参して受ける現物給付を被保険者の場合は「療養の給付」、被扶養者の場合は「家族療養費」といいます。
なお、70歳以上75歳未満の高齢者の自己負担については下記をご参照ください。
当組合の給付額
当健康保険組合では、療養の給付(家族療養費)が支給される場合に、病院の窓口で支払った医療費(診療月ごと、1件ごと[患者1人ごと]、医療機関ごと(外来・入院別、医科・歯科別)、高額療養費および入院時食事療養にかかる標準負担額、入院時生活療養にかかる標準負担額は除く)から20,000円を差し引いた額が後日、支給されます(算出額が500円未満の場合は不支給)。これを「一部負担還元金(家族療養費付加金)」といいます。
支払いは、病院から健康保険組合に送られてくる「診療報酬明細書」をもとに計算し、自動的に行いますが、支払いの時期はおおよそ診療月の3ヵ月後になります。
なお、市区町村等の公費負担医療に該当している方は、当健康保険組合の規程により公費を優先適用することとなっており、付加給付の支払いは行っておりません。
- 参考リンク
療養の範囲
療養の給付には、病気やけがの治療のために必要とされる医療はすべて含まれています。被保険者または被扶養者の資格がつづく限り、いずれも必要な医療を病気やけがが治るまで受けられます。
- 診察
- 薬剤または治療材料の支給
- 処置、手術その他の治療
- 在宅療養・看護
- 入院(食事療養・生活療養を除く)・看護
保険証でかかる
病気やけがをしたときは保険給付を受けられますが、どこの医院や病院でもよいというわけではありません。健康保険を扱っている病院や医院の窓口へ保険証を提出しなければなりません。
健康保険を扱っている病院や医院は「保険医療機関」といいますが、保険医療機関であれば、全国どこの病院でも医院でも健康保険で受けられます。
医療費負担の計算例
本人の例
標準報酬月額44万円の被保険者本人が12日間入院して150,000円を支払った場合(食事に要した費用を除く)
かかった医療費50万円 | 食事に要した費用 | ||||
---|---|---|---|---|---|
健保負担分7割 | 本人の負担額15万円 | ||||
療養の給付 (本人分) 35万円 |
高額療養費 67,570円 |
一部負担還元金 62,430円 |
自己負担 20,000円 |
食事療養 標準負担額 |
入院時 食事療養費 |
- 高額療養費:150,000円-(80,100円【※1】+(500,000円-267,000円【※1】)×1%)=67,570円
- 一部負担還元金:(80,100円【※1】+2,330円)-20,000円=62,430円
- 最終的な負担額:150,000円-67,570円-62,430円=20,000円
- 入院中の食事代として負担する食事療養標準負担額[1日3食の食事が出た場合]:1,380円(1食:460円)×12日=16,560円
(入院中の食事療養標準負担額は、高額療養費の対象となりません)
- ※1 被保険者本人の所得区分に応じて自己負担限度額が異なります。80,100円、267,000円を該当する自己負担限度額に読み替えてください。
本人+家族の例
同じ月に標準報酬月額44万円の被保険者本人が5日間入院して75,000円、家族が10日間入院して120,000円を支払った場合(食事に要した費用を除く)
かかった医療費=本人25万円+家族40万円=計65万円 | 食事に要した費用 | ||||
---|---|---|---|---|---|
健保負担分7割 | 世帯の負担額19万5千円 | ||||
療養の給付(本人分) 17万5千円 + 家族療養費(家族分) 28万円 =計45万5千円 |
高額療養費 111,070円 |
一部負担還元金 43,930円 |
自己負担 20,000円 + 20,000円 =計40,000円 |
食事療養 標準負担額 |
入院時 食事療養費 |
- 世帯合算の高額療養費:(75,000円+120,000円)-(80,100円【※2】+(650,000円-267,000円【※2】)×1%)=111,070円
- 合算高額療養付加金:(80,100円【※1】+3,830円)-(20,000円+20,000円)=43,930円
- 最終的な世帯の負担額:195,000円-111,070円-43,930円=40,000円
- 入院中の食事代として負担する食事療養標準負担額[1日3食の食事が出た場合]:1,380円(1食:460円)×(5日+10日)=20,700円
(入院中の食事療養標準負担額は、高額療養費の対象となりません)
- ※2 被保険者本人の所得区分に応じて自己負担限度額が異なります。80,100円、267,000円を該当する自己負担限度額に読み替えてください。